人気ブログランキング | 話題のタグを見る

酔い止めでルンルン。

船上で4泊し、エーゲ海に浮かぶギリシャの島々を巡ってきた。船は寝ている間に、立ち寄った島から次の島へと移動する。朝の4時頃に到着して碇を下ろす音で一度なんとなく目が覚める。6時前にはベッドから這い出し、まだ気温が上がりきっていない7時には島の散策に出かける。土産物屋がたくさんある町も良いが、私には35度以上の直射日光が照りつける中、1時間近くも丘を登ったり、階段を300段も登ったりするのが楽しかった。運動神経はないけれど、体力は人一倍あるので、脱落者や初めからあきらめて参加しない者もいる中、グループの中では2・3番目に年長者の私が全ての行程を制覇した。

話ががらりと変わるが、風邪薬をはじめとするイギリスの市販薬について私はどうも判断しかねることがある。「どれくらいの量の薬が、自分にとって適量であるか」ということである。ごくたまに風邪を引いたとき、日本から持ってきた風邪薬を飲むとあまり効かないが、イギリス製の風邪薬を飲むとあっという間に治ってしまうのだ。花粉症の薬も、イギリス製の方がよく効く。

今回の旅行では、船の上で過ごす時間が多いため、酔って旅の思い出が台無しになることだけは避けたかった。そこで出発前に、地元の薬局で即効性のある酔い止めを買っておいた。3日目の夜、穏やかなエーゲ海で船に乗っていることすら忘れていた頃に、船は横に大きく揺れ始めた。夕飯中、具合の悪くなる人も出る中、私も気分が心持ち怪しくなる。だから、早速酔い止めタブレットを口に放り込んだ。小さなピンクのタブレットは、子どもの時の歯の検査で使わされたものと見た目がそっくりだった。説明書に書いてあるとおり、それをしっかりと噛んで飲み込んだ。
酔い止めでルンルン。_e0124804_437231.jpg
すると2分もしないうちに、気分は回復したのだが、同時に今まで嫌に感じた揺れが楽しくなる。右に揺れ、左に揺れ、船の傾きに合わせて踊りだしたくなる。「気分は天国」とはこういうことを言うのかと思った。本当にキモチヨカッタ❤のだ。翌日、ツアーリーダーが「また揺れるよ」というので、今度は念のために同じ酔い止めを飲んだ。だが、今回は船の揺れを楽しいとは感じなかった。ところが、船を下りて島でバスに乗ろうと思っても、何番に乗ればよいのか全く思い出せない。色々な人に尋ねてやっとこさ5番のバスに乗り込むが、乗ったとたんに何番のバスに乗っているのかが思い出せない。ガイドが「1時間の観光の後に、5番のバスに集合ですよ」と言うのを聞いて、「あっ」と思うがどうもまた忘れてしまう気がしたので、左手を眺めて「指の数って覚えておこう」と心の中で思ったのだった。

イギリスの薬は、効力が日本のものより強いのではないかと思う。心配性の母は、「あっちの人は、体重も多いから、あんたは半分だけ飲めば十分」というのだが、私はそこまで小柄ではない。でも、酔い止めの副作用を考えると、やはり注意すべきかもしれない。
by ldnshigoto | 2008-07-01 04:41 | 生活と習慣